この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち


 駅付近に近づくにつれ、徐々に交通量が増す。渋滞の最中で車を停め、俺は彼女を見つめた。

「だから今日は、つっちーでいい……かな?」

 自分で言っておきながら、そっちの方がいきなりのような気がしている。

 でも、とりあえず彼女は――

「はい」

 と、頷き。俺の顔を見つめ返して、この日はじめて微笑んでくれた。とても控えめで、柔らかな。それは、松川土埜らしい微笑である。

「そんなわけで、つっちー。どこへ行く?」

「あ、えっと……とりあえず、お兄さんにお任せしても?」

「わかった。じゃあ、適当に行ってみよう」

 ハンドルを右に。車の混雑のない方向に、車を走らせる。

 ようやくスタートしたこのデートがどう転ぶものか、この時点ではなにも見えていない。もしかしたら、このまま普通に楽しく一日を過ごせるのではと、淡い期待を抱いてみるものの。

 きっと、そうはいかない。すぐに、思い直していた。そして、早速。

「あの、お兄さん」

「なに?」

「………になって、いいですか?」

「え?」

 聞き返してから、十秒以上後。松川土埜は、その複雑な胸中の片鱗を、覗かせるのである。

「お、お兄さんのこと――」

 彼女の眼差しが、俺を見定めた時。

「――好きになっても、いいですか?」

 そう言って、大きな瞳から涙を溢れさせた。

 この時、彼女はなにを想っていたのだろう――?

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ