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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち
今朝の七時すぎ。ベッドでゴロゴロとしたままの木葉ちゃんと、他愛のないお喋りをしていた。寝ぼけ半分の木葉ちゃんの言うことは、支離滅裂であったけれど、それはそれで面白かった。二人でわけもわからず、クスクスと笑った。
でも、その間にも、私は意識していた。意識して緊張していたのである。本当に、今日はお兄さんとデートをするのだろうか。
そういう約束であるはずだけど、当日の朝になっても、果たしてどうしたらいいのか、どうなるものか、まるで実感が湧かなかった。
それでいて身体の芯は、いつの間にか熱を帯びはじめている。その熱量が蓄積して、ある時点で決壊することを想像。その瞬間が恐ろしいのに、どこか待ち遠しくもあって……。
木葉ちゃんがちゃんと目覚めた頃を見計らって、私は少し声のトーンを落として聞いた。
「瑞月ちゃん……やっぱり、怒ってたよね」
昨夜、私が立ち去った後の様子を探ってみたのだけど、木葉ちゃんあっけらかんと、こんな一言を返しただけ。
「瑞月? 大丈夫じゃない」
「で、でも……私のこと、やっぱり気に入らないっていうか、その……」
「別に、つっちーがどうこうじゃないと思うけどなぁ。瑞月は単純に、お兄さんのことを私たちに取られたくない一心てゆーかぁ。アハハ! 私のことだけは全然、眼中になさそうだけど」