この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち
無責任に盛り上がる二人に、私は慌てて頭を振った。
「ええ? 無理無理!」
結局は二人に勧められるまま、思い切って実行したわけだけど。その結果は恥ずかしい想いをした甲斐もあって(?)、『つっちー』呼びという思わぬ副産物を生んだ。
その後、高坂さんは朝食の準備のため一階へ下りていき、部屋にはまた木葉ちゃんと二人きりになった。すると、私の方に歩み寄った木葉ちゃんが、耳元で囁いた。
「私も、お兄さんとエッチしたよ」
「え……?」
「さっきの続き。他の二人には流石に内緒だけど、つっちーには特別に教えてあげるね」
「こ、木葉……ちゃん?」
思わず、なにを言われたのか理解が追いつかなかった。唖然とする私に、木葉ちゃんは続けてこう言うのだった。
「だから、つっちーも気にせず――自由にしたら?」
木葉ちゃんの話を聞いて、驚きはあったけれど不思議とショックはなかった。逆に、あまりにも唐突に感じて、変な言い方かもしれないけど、世界が広げられた気がしたのだ。
△ △
私は自分自身が、どう自由にしたいのか、それすらもわからずにいる。それでも今、隣でハンドルを握るお兄さんに。
「好きになって、いいですか?」
とりあえず一つ、胸の中の想いを届けてみることができた。この先、どうしたらいいのか、どうなるのか、それはまだわからなくても。
ぐつぐつと煮えたぎるような欲望の片隅で、ほんの少しだけ湧き出してくる、この気持ちを見つめていた。