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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち
子山羊の可愛らしい姿を指さし、顔を見合わせて微笑んだ。搾りたてのミルクで作ったソフトクリームを口にして、美味しいと大げさに感激する。恐々と馬の背に跨った俺の引きつった顔を、少し心配そうに遠目から眺めている様子であったり。
そんな風に過ごす内に、自然と難しい思考は解かれていった。それは、俺自身が彼女とのデートを楽しみ始めていたからであり、そしてなにより彼女の存在に魅力を感じていたからであろう。
そう、紛れもなく、松川土埜は魅力的な女の子だった。本来、控えめな性格をしているから、あの四人の中ではいつでも自分の主張を抑え波風を立てぬよう、静かな微笑を浮かべていることが多かった。が、それだって、概ね好ましい一面に違いない。
元来孤独な俺にとって、彼女のようなタイプにこそ心を癒されるのかもしれないと、ふと思った。
さらさらと風に靡くショートの黒髪も、白く透明感のある素肌も。なにかを言いたげな大きな双眸と、まるでその意図を覆うようにかけられた眼鏡でさえ、彼女の魅力を高めるためのアイテムのようだ。
この前のホテルの淫らな情交のイメージが色濃く残して、尚――否、そこからのギャップが大きいほど、今の彼女の清楚な魅力を高めているようにさえ感じた。
「次は、向こうへ行きましょう」
「……!」