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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に
「う……」
こちら思考を邪魔するように、身体を襲う刺激が徐々に艶めかしさを増していく。〝相手〟の手が雑に俺の胸板を弄った。まるで硬直した股間の硬さを確かめるように、ふくらはぎから太ももの辺りまでを用い脚を蠢かせている。
酒に酔った〝何者〟かが地下室に迷い込んだ上で、ついでに俺のベッドに潜り込み、そして愛用の抱き枕と間違えて、既に酔い潰れている俺の身体にしがみついている、とか? ――否、そんなわけないだろ。
ああ、駄目だ……。現在の低下した思考能力では、ご都合主義で少しエッチなラノベ程度の展開しか浮かんでこない。これでは推理するだけ無駄だ。
消灯した地下室は、まさに暗闇である。必死に目を開けてみても、相手の顔を見ることは叶わなかった。
故意かアクシデントか、この状況に至った経緯はしりようもない。それでも相手の意図を探る手段なら、手っ取り早いのが一つ浮かんだ。ある程度のリスクは伴うが、この際やむを得ない。
俺は抱きつかれている側と反対の左手を動かし、それで相手の胸と思しき弾力を無造作に掴み取った。
むぎゅ、という感触が掌に広がる。
先ほどのラノベ的な展開に当てはめるなら「きゃあ!」という悲鳴があがる場面であり、更に言えば理不尽にも頬のひとつも叩かれるベタな展開を、一応は覚悟してみたのだが……。
しかし、その結果は――。
「……!」
――無言。