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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち


 息を整えながらの会話が、あまり噛み合わないように感じた。確かにキスをしてきたのは彼女の方だけど、それに抗えなかった自分が酷く情けない。

 この三日間というもの、松川土埜との逢瀬に安易に応じるべきではないと、何度も頭の中で言い聞かせてきたはずだ。その決意がキス一つで、瓦解寸前という体たらくである。媚薬なんてたとえが既に言い訳臭いこと、この上ない。

 結局、俺という男は性欲ひとつ制御することさえできないのだろうか。否、こんな娘にキスされたら誰だって変になるのは仕方がないだろ――と、また言い訳を繰り返す自分に呆れた。

「……?」

 難しい顔をしているであろう俺を見つめて、彼女は小さく首を傾げる。淫らなキスを施した唇は、まるでその罪を忘れたように純真さを取り戻している。僅かに開き、なにかを言いたげ。

 柔らかな頬に触れたい衝動を寸前で止めると、誤魔化すように艶やかな黒髪にすっと指先を通す。不意に瑞月の顔が彼女と重なり、胸の奥がチクリと傷んだ。

「叱ってください、私を」

「……叱る?」

「はい……」

 彼女は頷くと、考えを纏めるように間を置き、それから再び俺を見つめ、こう答えた。

「私、我慢しようと思うんです、できるだけ……」

「つっちー?」

「す、すいません……こんなことしたばかりで、なにを言ってるんだって、呆れられても仕方がありませんね。だけど……」

「いや……でも、どうして?」

「だって今日は、お兄さ――」

「?」

 急に言葉を止めたことを不思議に思っていると、彼女はまた頬を少し赤らめ俺を見つ直し、こんな風に言うのだった。

「――りょ、涼一さんが、隣にいてくださるので」

「……!」

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