この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に
すると、夏輝さんの声のトーンが、やや変わる。
「まあ、いいんじゃないですか。キスぐらいなら」
「え?」
「ためしに、私ともしてみましょうか? ――キス」
両手を後ろで組み、俺の方に向き直ると、夏輝さんはあっけらかんと言った。
俺は驚くこともできずに立ち尽くし、只、なんともいえない魅力を放つ、夏輝木葉という存在を見つめる――と。
「――なんて、ほんのジョークですよ」
夏輝さんは、口元からペロッと舌を出した。
「だ……だろうと思ったけどさ。こんなシチュエーションじゃあ、心臓に悪いって」
「アハハ! もう、引っかからないでくださいよぉ。どう考えても、私のキャラじゃないでしょう」
「別に、引っかかってないから」
「わかりました。そういうことに、しておいてあげます」
ほっとしたような、少し残念なような。そんな気持ちになること自体――。
「私は先に戻りますので、瑞月を迎えに行ってあげてください」
「うん……」
上手く言えないけど、俺はこの時点でいろいろと、やられてしまっているような気がするのだ。
瑞月と、その三人の友人に――。