この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に


 舗装された道路から下り、木々の間の小道へ分け入って行く。ほどなく、せせらぎを耳にして、闇に慣れつつある眼と星明りを頼りに、足元を気にしながら小川の辺へと至る。

「……」

 腰掛けるのに丁度よい格好の岩。瑞月は、その上に片膝を抱えるようにして座っていた。そうして、黙って小川の流れを見つめている。振り向こうとしないが、足音は聴こえたはずだから、たぶん俺が来たことはわかっているだろう。

 黒髪とは異なり、夜に紛れぬ金色の髪。風になびき頬にかかるそれを、指先でそっと耳の後ろに流した。その時の横顔が、随分すっきりしているように見え、こう聞く。

「吐いたのか?」

「バカ。聞くな……」

 もっと怒るのかと思ったが、字面でみるよりは冷静な対応だ。嘔吐したことで酔いが緩和されているのだろう。たぶん今は、みんなの前で取り乱した自分の態度を、バツが悪く感じているに違いない。

 とりあえず、黙って様子を窺っていると、しばらくして瑞月が口を開いた。

「今夜の月は、仲間外れみたい」

 一瞬どういう意味か、理解できずにいた。しばらくして、見上げた満天の星空に、夕方にはあったはずの三日月が、今はないことに気づく。

 俺は瑞月の傍らに立ち、ため息をついた。

「三人ともいい友達みたいだな。かなり個性的ではあるけれど」

「だから?」

「誰も瑞月のことを仲間外れになんか、してないぞ」

 瑞月は聴こえないくらいの小声で、こう呟いた。

「仲間外れにしてるのは、お兄ちゃんだよ」

 俺が瑞月を……?

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ