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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち


 冷蔵庫に2リットルのペットボトルのミネラルウォーターがあったため、水分補給はそれで賄えたようだ。もちろん、それを口にするまでには只ならぬ苦難があったのは述べるまでもないこと。

 後に空になって発見されるペットボトルは、蓋は閉められたままであり、その代わりに底の付近には歯で齧ったような歪な穴が穿たれていたという。
 
 五日を過ぎた頃には、炊飯器のご飯もすっかりなくなっていて、それでも内釜にこびりついて固くなったお米を、最後の一粒まで爪でこそぐようにして、それを口に運んだ。

 そうしてその後も、私は食べ物を得ようと部屋の中を這い回ったのだ。自らの排泄物で全身を汚しながらも、動ける力の残された限りは――。

 ――そうして、途方もなく永い二週間は過ぎ去る。

 けれども、それが二週間だと――いずれ終わるものだと、わかっていたのなら、まだ救いはあったかもしれない。でも私は次第に衰弱していく自らを自覚しながら、どこまでも続く長い暗闇《トンネル》の最中を這いずらなければならなかった。

 もしかしたら、これが私の永遠かもしれない。そのように、絶望の淵に立たされ、幾度も幾度も挫けそうになりながら……。

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