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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち
突如として名を出され、私は否応なく彼らの会話に耳を傾けることに。でも、この時点では少し意外という他に、特別な想いがあるわけではなかった。
「松川ぁ? あんな地味子の、どこがいいんだよ」
「ああ、俺、わかっちゃったかも」
男子の片方がニヤニヤとしながら。
「コレだろ、コーレ!」
と、胸の前で弧を描くように、両手を動かしていた。すると、もう一人も。
「ああ、確かにあの身体はねぇ……矢野ぉ」
「な、なに?」
「このドスケベが!」
矢野くんの頭を抱えるようにして、じゃれついていく。
「ち、違うって。僕が、気になってるのは――」
「だから、巨乳だろぉ?」
「そうじゃない! 僕は松川さんの、どこか吸い込まれてしまいそうな、あの瞳がっ――」
「ハハハ! なに、わけわかんねーこと言って――!?」
その時、矢野くんも他の二人も動きを止め、視線をこちらに向けた。
自分でも、なぜだかわからない。私は考えるより先に、三人のいる教室の中に足を踏み入れていたのである。