この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち


 普段なら、こんな場面はスルーするに限る。別になんと陰口を言われたとしても、今更気にすることなんてないけど、関わらずに済むことなら関わらないに越したことはなかった。

 それなのに、この時に限って、なぜだったのだろう。私の中には、既に予感めいたものがあったのかもしれない。

「ああ――松川さぁん」

 矢野くんをからかっていた二人は、私の登場にも悪びれることなく、すぐに口元に笑みを浮かべた。

 あ、いいこと思いついた――と、そんな感じの笑みだった。

「ちょうど、よかったよ」

「……」

「ねえ。今の話、聞いてた?」

「……」

 私が黙っていると、二人は顔を見合わせて、やれやれ、といった感じの手振りをする。その後で、矢野くんの背中を――ドン!

「うわっ……!」

 と、強く押した。

 矢野くんは私の方に倒れそうになる寸前で、ぐっと堪える。私より、ほんの数センチ高いだけの、男子にしては小柄な身体だ。

「あ、あの……」

 間近で私を見つめると、すぐに顔を上気させて視線を横に向ける。

「……ごめん」

 背後の二人はおろか、目の前に立つ私にさえ、やっと届いたくらい。蚊よりも小さい声で、矢野くんは呟いていた。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ