この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち


「矢野がさぁ――松川さんに、大事な話があるんだって」

 そう告げると、他の二人はニヤニヤとしたまま、逃げるように教室を後にした。

「あ……えっと」

「……」

「ち、違うんだ……別に」

「違う?」

「いや、その……なんていうのか」

 困ったように、頭を掻いていた矢野くんは――

「もう……帰ろうかな」

 独り言のように言って、一度こちらに背を向けた、その後で――

「いっ……」

「?」

「…………一緒に、帰らない?」

 私を横目でちらりと見ると、声を上擦らせてそう言うのだった。

 学校の正門を出ると、私はやや迷った後で、学校前の通りを右側へ。少し後ろに私がついてきていることを確認すると、矢野くんはホッとしたように胸を撫で下ろしていた。

 暫くの間は、矢野くんの背中を見ながら、数歩離れて後を歩いていた。やがて細い路地へ折れると、同じ学校の生徒の姿がなくなる。

 それを見計らったように矢野くんは立ち止まり、私に聞いた。

「あのさ……松川さんは、アニメとか観たりする?」

 その、なんでもない質問をするのに、矢野くんはかなり緊張していたようだ。拳をぎゅっと握りしめるようにして、私の返事をじっと待っている。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ