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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち


 服を脱がせるのなら、順序よく丁寧にした方がいいのに。思わずそう思ってしまうくらい、あまりにも荒々しくて忙しない手つきだった。

 私は制服にもブラウスにも袖を通したまま、胸の前だけをはだけさせられた恰好になる。

「あぁ……うう」

 矢野くんは馬乗り状態で私のお腹の上に跨がると、うめき声に似た細い声を発している。飾り気のないシンプルな白いブラジャーを、食い入るように見つめていた。

「どう、するの?」

 そんな風に聞いてみると、とても険しい顔で睨み返される。

「どうって、そんなのわかるでしょ」

「ごめんなさい。本当にわからないの」

「は? そっちが、仕向けたんじゃないか」

「仕向けた?」

「だからっ! その瞳でっ!」

 矢野くんは確か、教室でも同じようなことを言っていた。

「私の瞳が、いけないの?」

「ああ、そうだよ。どこまでも深くて、まるで闇のようなんだ」

 やっぱり、闇……か。

「そんな瞳で見つめられると、心の底からゾクリとして――正気じゃあ、いられなくなる」

「正気じゃなくなると、どうなるの?」

 なにもわからない私に対して、矢野くんは表情にいら立ちを浮かべる。そして、なぜか自ら股間のチャックを下ろすと、ズボンを腰までずり下げ更にパンツに手をかけた。

「こう、なるんだよ」

 矢野くんはパンツの中から出したモノを、私に見せつけるようにして、言った。

「……!」

 私はまじまじと、禍々しくもある男性の肉体の一部を見据える。

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