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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち


「どうぞ、入ってください」

「は、入る?」

「私の中へ、入るんじゃないんですか?」

「そ、それは、そう、なんだけど……」

 ゴクリ、と。

「……ホントに?」

 矢野くんが唾を呑み込む音が、やけに際立って聴こえていた。     

「はい」

 再び頷くと、矢野くんがゆっくり、私の上から身体を重ねてくる。そして、既にゴムを装着した自分のモノを、股にぐりぐりと押しつけた。

「あれ?」

「ん……」

「ご、ごめん。い、痛かった?」

「大丈夫です。でも、たぶん、そこではないと思います」

「え? ……っと、じゃあ……」

 その後も見当違いのところに、何度となく押し当てられた。もどかしくもあったけれど、導いてあげることなどできるはずもない。私は自分の女の箇所が、どうなっているのかさえ意識したことがなかった。

 もしかしたら自分を女と思ったことさえ、なかったのかもしれない。学校で着る制服のスカートだって、男女を分けるトイレのマークと同じくらいの感覚だった。

 便宜上なんとなく分けられていることを、辛うじて認識していたにすぎない。少なくとも、女の身体の仕組みについて考えたことなんて――!

「あっ!」

 思わず声を上げたのは、矢野くんの先端に、芯を正しく捉えられていたから――。

「いっ、いくよ! 松川さん!」

 そして矢野くんは、ようやく探り当てた私の場所へ、一気呵成に押し寄せようとする。

「ん、ん――」

 ぐいぐいと、まるで容赦なく、私の女の芯が、貫かれていく。

 ああっ――!

 鮮烈な痛みは私にとって――導火線、だった。

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