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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第8章 土埜の気持ち
「松川さ――つ、土埜……つちのぉ!」
私の名を口にしながら、矢野くんは激しさを増して、この身体に打ち据え続けた。それは岩肌に押し寄せる波のように、荒々しく。
間違いなく興奮の上り坂にある彼に対して――
「……うっ……んん」
私に与えられるのは、連続的な激痛。只の、それだけ。
だけど痛みがあるからこそ、私は彼と繋がったことを実感できる。一人ではない自分を、強く認識することができたのだ。
ボン! ――ボン、ボンッ!
炸裂音は鳴り続け、私の闇をどんどんと晴らして――否、爆裂の後が、ところどころで無機質な白で塗り固められている。まるでバケツの中の、ホワイトのペンキをひっくり返したように。
――あれ?
更に私は、不思議な感覚を得る。痛みを介して繋がった彼の、その視界を我がものにしたような感覚は、もちろん錯覚だろう。
でも、私は見た。矢野の視界の中の、私自身を。
私は笑っていた。矢野くんに激しく責められ、痛いはずなのに、私は笑っていたのである。
とても、妖しい。錯覚の中で、とても妖しい女の顔をしていた。