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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情
夜はあまり寝つけなかった。割と早くベッドに入ったつもりだけど、いろいろなことに考えを巡らせている内に、深夜になっていたように思う。
思考を支配したのは、主に松川土埜だった。一日一緒にいたのだから、それは当然なのだろう。この同じ別荘の建屋にあって、つっちーは、どんな気持ちで同じ一夜を過ごしたのだろうか。そんな風に考えていた。
悪夢にうなされることなく、健やかな寝顔を浮かべていることを期待している。だけど一方で、現時点で彼女の手助けができたと思うのは、俺の自惚れに違いない。そんな簡単なことでは、なかった。
遅く眠った割には、目が覚めたのは早朝だった。二度寝する気分でもなかったので、一階に上がり洗面所で顔を洗う。女子たちはまだ起きてないのか、薄暗いリビングはまだ静寂の中にあった。
「さて、今日はどんな一日になるものか……?」
なんとなく呟いた後で、ふっと自嘲気味な笑みが零れる。言葉にも笑みにも、特に意味はなかった。只、なんとなくこの状況の中にある自分に対して、そこはかとなく違和感を覚えている。
無理もないだろう。違う相手と、四日連続でデートなんて……。