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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情


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 岸本瑞月からの話は、実に唐突であり、この上なく不躾なものだった。

「向こうに行ったら、別荘にいる男を誘惑してほしいの」

「は? 誘惑?」

「軽くでいいから、適当に誘いをかけてみて。別にその結果、男の方が乗ってこなくてもかまわないから。その代わり、状況はその都度、私に報告してもらうけど」

「ちょっと待って。別荘の男って、誰なの?」

「誰だって、いいでしょ。あなたには関係ないし」

「自分に関係ない男を、誘惑しろというわけ?」

「そういうの得意なんでしょう?」

「なにそれ?」

「ともかく、嫌なら他を当たるだけ。もし、やってくれるなら、お礼はそれなりにさせてもらうけどね」

 岸本瑞月はほぼ無表情のまま、そんな風に話した。やるのか、やらないのか。返事を求めるだけで、それ以上、詳しい話を聞かせてくれそうもなかった。お嬢様なんて類の人間の思考や感覚なんて、庶民の私に理解できるはずもないのだろう、きっと。

 少し悩んだ末、私がその話に応じたのは、彼女のいう〝お礼〟に釣られたからではない。確かにお金は必要だけど、自分の望まないことをしてそれを得ることに、私としては懲りていたのだ。

 それなら、なぜか。それは少し前に、嫌な想いをしていたのが主な要因だろう。

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