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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情


「あのさ……一応は俺って、瑞月の兄なんだけど」

「うん、しってる。さっきも自分で言ってたじゃん」

「わかってるなら、そのタメ口はどうなのって」

「へえ、随分と細かいこと気にするんだ」

 岸本瑞月の兄ということは、この男も大富豪のご子息ということ。聞けば管理人というのは名目であり、実際は作家修行のため別荘に籠もっているのだという。

 ろくに働きもせずに、いいご身分だね。こちらの率直な感想だ。

「私、回り道してるから、あの子たちより年上なの」

「回り道?」

「そ、二年間。学費を工面するため。ま、自分のはついでだけど」

「そう、なんだ……」

「?」

 こんな庶民の苦労話、きっと笑い飛ばされるかと思った。笑わないまでも、適当に流されてそれで終わりだろう。

 だけど彼は、私に神妙そうな視線を向ける。かといって哀れむとかそういう意図は感じさせず、どこか心苦しそうな顔。後ろ暗そうな表情にも思えた。

 この反応はなんだろう。彼は思いの外、繊細そうな眼差しをしている。

「なに?」

「いや、別に……」

「ああ、もしかして。どんな仕事してたのかな、とか考えたり」

「う、うん……二年で私立の学費を稼ぐなんて」

 そんな風に言う彼に、私は色香を纏った表情でこう言ったのだった。

「エッチなお店にいたの」

「……!」

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