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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情

「そっか」
「で、どうするの? 任務続行なら早速明日にでも、やるよ」
「や、やるっ……?」
「だから、軽く誘いをかけてみようかって話」
「ああ、うん……そう、だね」
彼女の煮え切らない態度が、どうにも気になっていたけど。
「だったら明日は、他の二人を連れてどこかに出かけてよ。私は適当にグズって別荘に残るからさ」
「……わかった」
そうして明くる日、私は予定通り一人で別荘に残ることになる。管理人の彼と二人きりになるチャンスを作るため。でも彼には日中バイトが入っていたようで、私は多くの時間を結局は一人で過ごすことになってしまう。
「なにやってんだろ、私……?」
分不相応な金持ちの別荘のリビングで、ふかふかのソファーに寝そべりスマホを弄りながら、口からは自然と本音が零れていた。
風俗で働いていたことで、男から簡単な女だと思われたことが、自覚していた以上に悔しいと感じている。その上、大学では噂が広がりつつあるから、また新たに偏見で満ちた目を向けられるのだろうと思えば、とても憂鬱……。
「ま、どーでもいいけどさ」

