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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情
怒ったように叫んだ自分自身を、次の瞬間には嫌悪していた。不思議そうにする二人の視線に晒され、急激に居たたまれなくなっていく。
「なんか……ごめん」
取り乱した挙げ句に思わず謝ってしまったのは、彼らの邪魔をしたという気持ち以上に、私が勝手に気後れしたからだった。その直後、私は教室を飛び出していった。
机に向かい合って私を見つめた二人は、真面目そうでどこか稟としていた。彼らの姿が、まるで切り取られた一枚の写真のようにピタリとはまったように思えて、私ではとても敵わないと直感してしまっていた。
さっき管理人さんには「フラれちゃった」なん言ったわけだけど、実際は告白なんてする以前の問題。勝手に白旗をあげて諦めてしまったのだから。
たった、あれだけのことで降参? と、我ながら思わないわけでもない。でも、その時に感じた直感は、たぶん正しい気がした。
結局それからすぐに、私には彼氏ができることとなる。いつも一緒に連んでいたグループの中で、特にチャラチャラとした男だった。すなわちクラスの委員長くんとは、正反対のタイプといえるだろう。