この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情


 その彼のことをどう思っていたのか。それは今となってはよく思い出すことができない。少なくとも嫌いではなかったはずだし、自分には似合っているのだと、とても客観的に感じていたような気がする。

 彼と、はじめて結ばれたのはつき合いはじめてから数週間後のこと。場所はアパートの一室。彼が一人暮らしの友人に部屋を空けさせ、私を連れ込んだのだ。

 彼の魂胆は見え見えだったけれど、私は特に拒むことをしなかった。そして――

「文水って、はじめてなのか?」

「そうだよ。悪い?」

「別に、ちょっと意外かなって」

 どこにでもありそうな、ありふれた会話の後で、三度目のキスをして、はじめてのセックスをした。はじめての行為に特別な想いはなかったし、よくも悪くもなかったけれど、別に後悔するほどのことでもなかった。

 みんながすることを、私も済ませただけ。単に、それだけ。だけど――

「……」

 私の上で規則的に蠢く彼と、その先の白い天井を見上げながら、私は考えていた。

 教室で見かけた、委員長と副委員長。あの二人は、きっとこんなことはしてない。高校を卒業して、いろいろちゃんとして、それから二人は結ばれていくのだろう。

 そんな風に考えた時に、すこしだけ虚しくて、それこそが、私の初体験の思い出となった。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ