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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情
そんな状況に置かれ、怖さは感じたけれど、私は頑なに引こうとはしなかった。ここで屈してはいけない。そんな気持ちに駆り立てられたのだ。
「とにかく、これはいらないから」
「へえ、そう? いらないのかよ。じゃあ――」
すると木村は私の手からゲーム機を面倒そうに受け取り、そして――
「――ここに捨てるな」
ガシャン!
冷めた目をこちらに向け、ゲーム機を地面に投げ捨てたのだった。
そんなわけで、木村に対する印象が最低だったのは言うまでもないこと。そして、その印象が変わることはそれ以降もなかった。なぜなら近所で顔を合わせる度、木村はこちらの気持ちを陰鬱にさせるのだから……。