この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情
「ハハッ! 当然、しゃべられたくねーよなー」
「だ、だって……それは……」
「なあ? どーなんだよ、そこんとこ」
「だから、そんなの――」
言わなくたって、わかっているのだ。それは、私も木村も。それなのに木村は、すべてをわかった上で更に私を攻めた。
「ハッキリしてくんねーか! ああっ? しゃべってもいーのかよ!」
口元に薄く笑みを浮かべたまま、木村は徐々に語気を荒げていく。
木村が『誰に』という部分を敢えて口しないところが、なんとも気持ち悪かった。そんなところにも、この男の本質がよく表れている。木村が口にしない以上、こちらから口にすることもできない。
じわじわと精神的に追い詰められた、その結果――。
「さあ、どうする? 俺は別に、どっちでもいーけどな」
「い……言わないで」
「あ? よく聞こえねーよ」
「言わないで! ……お願い」
私は惨めにも、屈服してしまうのだった。
「ハハハ、オッケーオッケー! そうと決まればグズグズしないでサービスの方、よろしくー。俺はお前とわかった上で、こーして会いに来てんだからさぁ。たっぷりと頼むぜ」
「では……先にシャワーを」
観念した私は、難しい思考を一旦停止。いつもしてることを、いつものようにするだけだと割り切り、相手が誰であるとか、その部分の意識を消そうと努めるのだった。
シャワーで、相手の身体を流し。
「お湯加減は、熱くありませんか?」
「ああ、丁度いいぜ」
「では、失礼します」
「へへ、やっぱ興奮するよなぁ。洗われただけで、こんなにビンビンになっちまってさ」
「……」
「おおっ……そこ、もっと入念にな」
「……はい」