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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情


 それから、ベッドでのサービス開始。

「オーイ、なんか手抜いてねーか」

「いえ、そんなことはありません」

「さっきから手でしてるだけじゃん。もっと、誠意をもってできねーの?」

「……」

 やっぱり、木村は木村。子供の頃から、私が苦手とする男。私の意識からそれを消し去るのは無理みたいだ。いつもの接客中のように口調を敬語に改めてみても、気休めにもならない。

「ほら、いつもやってるようにしろって」

「は、はい」

「じゃあ、次はどーするわけ?」

「口で、します」

「おっ、いいねー」

「では――」

 私は股の間に屈むと、禍々しく反り立った木村のものに顔を近づけた。

 そして、それを口に含む。

「へへへ……なんか今、昔のことを思い出した」

「?」

「憶えてんだろ? ガキの時、俺が理樹にくれてやったゲーム機を、お前が返しに来た時のことだよ」

「……!」

「なんかあん時、ゾクっとしてさぁ。俺の中で、なにかが目覚めたってゆーかぁ」

 木村は恍惚として語りながら、私にこんなことを命じた。

「なあ、あの時みたく。俺の顔を睨みながら、やってくれよ」

「……」

「そうそう……いいねぇ。そしたら、もっと深くまでいこーか」

「ぐっ……!」

「へへっ……ほぉら、コッチ見んの、やめんな」

 髪を乱暴に掴まれ、口の中深くまでねじ込まれていく。

「文水ぃ……今、どんな気分だ?」

 キッと更に険しく、私は木村を睨みつけた。すると――

「俺の方は……最高の……気分、だっ!」

「――んんっ!?」

 私の口の中で、木村の欲望が容赦なく弾けていった。

 気分は言うまでもなく――最低。

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