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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第2章 コーヒーはブラックで


 リビングに行くが、誰の姿も見当たらずに、俺はふっと息を吐いた。

「あの後にも、かなり飲んでたのかね……」

 呆れながら言うが、リビングのソファー周りが殊の外、綺麗にされていることに気づく。キッチンに行くと、流石に使った食器類は洗わずにシンクの中に重ねられたままだが、食べ残しや空きびん空き缶等はしっかりと片付けられていた。

「へえ、意外とちゃんとしてるじゃん」

 そんな風に感心していると、背後からの元気な声に驚かされた。

「おはようございまーす!」

「わっ! ……ああ、夏輝さんか……おはよう」

 思わず胸を押さえると、心臓がドキドキしているのが、よくわかった。だが、その鼓動の早まりは、不意の挨拶に驚かされたことだけが原因ではないようだ。

「き、昨日は……よく眠れた?」

「ハイ! エアコンなしでも涼しいから、ぐっすりでした」

「そ、そう……」

「どうか、しましたか?」

 思わず視線をそらしてしまった。昨夜の生々しい情事の相手が、目の前の夏輝さんとは思えないけど、四人の内の誰かだとするなら現時点では可能性を否定することはできない。

 バカ、四人って……。候補の中に自然と瑞月を含めていたことを嫌悪し、俺は頭を叩いた。そんな行動を、変に思ったのだろう。

「お兄さん?」

 夏輝さんに、じっと顔を見つめられる。

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