この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第9章 文水の事情


「だから違います。この言葉は今の貴方にではなく、未来の貴方に向けたもの」

「み、未来……?」

「ええ、そうです。五年後か十年後か、それよりずっと先かは、わからない。たとえば結婚して子供が生まれた時、あるいはその子供が成人した時なのかもしれない」

「だ、だから、なに言ってんの?」

「つまり、木村さん。貴方がいつか僅かでも真面に人生と向き合った時に、必ずこの言葉が追いかけていくことになるんです。卑怯者……そして、その時になって自分がしたことを悔いるはずだ」

「は? だから意味が――」

「わからないでしょうね。でも、いつか痛感するんです。そして、己の中に生じた罪の意識は、簡単に消すことはできない。誰から責められるわけではないし、法で裁かれることもない。だけどそれ故、許される術もないんです。自分自身が過去自分を許せなくなる。俺自身が、そうだったように……」

「え……?」

 驚いたように俺を見た高坂さんに、俺はとりあえず微笑を返した。

 そんな俺たちをよそに、木村はボトルに直接口をつけブランデーを派手に煽ると、気でも狂れたかのように一頻り高笑いをする。それから口元を袖で拭うと、カウンターに身を乗り出すようにしてこちらに顔を近づけた。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ