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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第2章 コーヒーはブラックで
「でも、文水さんとつっちーには、一緒に入るの断られちゃてぇ……。それで瑞月と一緒にお風呂してる間に、二人が片付けもやってくれたみたいなんです」
「じゃあ、二人はその後に?」
「つっちーは、その後で一人で入ったと思いますが。私、先に寝ちゃったから、たぶんですけどね。文水さんはシャワーでいいからって、そのまま二階へ」
「瑞月は?」
「私とお風呂に入った後、おやすみって和室に行きましたよ」
「……」
なんだ。それだと、全員一人になる機会はあったってこと……? まだ頭痛の残る頭を懸命に使ってみるが、そもそもこんな犯人探しみたいなことに意味なんてあるのだろうか。
昨夜の相手が、他の三人に対して隠すのは当然しても、当の本人の俺に対してまで、とぼける理由があるとは思えない。たまたま泥酔していた俺が気づけなかっただけで、相手は当然、悟られているものと思っているのではないか。
だとすれば、二人きりで話した時に、おのずと答えはわかるはずだ。その理屈に基づけば、この夏輝木葉は違うということになる。
と、そんな風に考えていた時。
「お、おはよ」
起き出してきた二人目が、挨拶を口にした。