この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「は……?」

 一瞬、言葉を租借しきれずに立ち尽くす俺。

 そんなリアクションと、外から聴こえてくる小鳥たちのさえずりが、かえって彼女を居たたまれなくしたかのように。

「ほ、本当に……ごめんなさい」

 つっちーは、心から申し訳なさそうに、小さな声音で謝るのであるが。

「いや、別に謝る必要なんて、ないんだ……けどさぁ」

 なんで、唐突にこのあられもない告白を? つっちーの心理については、謎が深まるばかりだった。

「……」

 口を噤んでしまった彼女を前に、どうしていいのやらわからなくなった俺は、とりあえず一旦、間を取ろうと試みるが。

「あ、そうだ。なにか冷たいものでも飲んで――」

 冷蔵庫のあるキッチンへ行こうとした俺の、シャツの裾を袖をつっちーに掴まれていた。

「つっちー」

 足を止め振り向いた俺に、彼女はこんな風に言う。

「朝から、こんな話を聞かせたり……どうかしてますよね、私」

「いや、そんなことないけど」

「でも、私にとって、これは前進なんです」

「……」

 なんとなくだが、わからなくもない気がしている。なにせ俺は、松川土埜の壮絶な話を聞いているのだから。

「この間のデートをきっかけとして、私はようやく気づけました。淫らな情欲に溺れることで、心の闇の誤魔化すことになんの意味もないってこと。いいえ、それどころか結果として闇を増幅しかねないんだって……それを涼一さんに気づかせてもらったんです」

「そんな、俺なんて別に……でも、つっちーがそう思えたのなら、それがなによりというか」

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ