この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 彼女は振り返り、今度は淀みのない視線をこちらに向ける。

「別に自分で慰めることが解決になるなんて、思ってるわけじゃないんです。私の場合、セックスに依存したのは性欲に起因したものではないから、それも当然ですね」

 そう。彼女は自分の闇を覆い隠す媒介として、男たちの欲望を利用することしかできなかった。そこに後ろ暗さがあったのだろう。相手になる男たちにとって性欲の捌け口でしかなかったとしても、彼女はそれを受け入れ続けた。

 彼女はその傷とも向き合うことになる。たとえ、闇が晴れたとしても。

「それでも私、同じことをしてしまいます、きっと……昨夜みたいに、涼一さんのことを想いながら」

 そう言いながら、また頬を染めたつっちーは、しかし次に笑顔を浮かべて、言うのである。

「こんなエッチな気持ち、どうか許してくださいね」

「つっちー……」

「他には、なにも望みませんから」

 浮かべた笑顔に比して、その消えてしまいそうな呟きを耳にした刹那、俺の中で急激に膨らみゆく感情があった。

 その正体を探り当てようとするより先、俺は無意識に両手を伸ばすととりあえずそれを彼女の両肩に、そっと。

「涼一さん?」

 俺を仰いだ漆黒の瞳。それごと抱きしめようと――たぶん、俺はそうしようとしていた。

 だが、まさにその時である。

「ああっ! こんなところで、イチャついてるしー!」

「な、夏輝さん!?」

 驚いた俺は、咄嗟につっちーから身体を放した。

 すると、仁王立ちに腕組み。ぷっと頬を膨らませ、彼女は高らかに宣言するのである。

「お兄さん! 本日のデートのお相手は、この夏輝木葉ですよっ!」

 デート三日目、晴天。本日は果たして、どんな一日になることやら。

 少なくともこの時点にいて、あまりいい予感はしていないのであるが……。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ