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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 朝から軽くドタバタした挙げ句、三日目となるデートに赴くため、車を走らせはじめたのは午前九時を少し回った頃だった。

 そして本日のデート相手となる夏輝木葉の様子は、といったら。

「うふふ、待ちに待ったお兄さんとのデート。楽しみ楽しみー」

 ニコニコと可愛いらしい笑顔を惜しげもなく振りまき、隣で聞いていて恥ずかしくなるようなことをウキウキと口にするほどには上機嫌である。

 もっとも彼女の場合は、その表層の態度から内面を推し量ることは難しい。この夏、別荘を訪れた四人の中で、一番本性を露わにしていないのは間違いなく彼女なのだから。

 その意味においても、また別の事情を鑑みても、俺はある意味で彼女と二人きりになれるタイミングを待っていたのかもしれない。いくつかの謎を明らかにするため、確かめておくべきことがあった。

 しかし車で別荘を出た早々、本題に入るのもなんだか気が引けてしまう。最初に顔を合わせてから既に十日近くになるか。肝心なことを有耶無耶にしたまま、俺たちは結局は今に至っているのだから……。

 その間に俺が見た限り、普段の夏輝木葉は屈託のない朗らかな女の子なのである。もちろんそれだけではない面も、何度か目にしている。それらは、いずれも俺と二人きりの場面でのこと。

 まあ今日一日一緒というなら、とりあず時間を気にすることはない。というかデートというのなら、まず先に聞いておくべきことがあるだろう。

「夏輝さん、どこへ行きたい?」

「遊園地!」

 それはデート定番のひとつ。楽しそうに即答してくれたのは、いいのだけど。

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