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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「遊園地かぁ。この近くにもないことはないけど、どちらかといったら子供向けのところだしなぁ」
「それじゃダメです! 絶叫系があって観覧車があってメリーゴーランドなんかもあってぇ。あとあとぉ、私としてはお化け屋敷的なアトラクションもかかせませんねー」
テンションを上げる彼女に反し、こちらは少し覚めた目を向けつつ。
「夏輝さんって、暗い場所が苦手なんでしょう?」
「だから、お兄さんと一緒に入るんです。怖くてピッタリと密着したりして、あははは!」
更にテンションを高める一方その横顔をちらりと眺めながら、俺は小さくため息をついた。
「でも、それだと……ああ、FCアイランドがあるか。一応は隣県ではあるけれど、これから向かうとなると、たぶん昼過ぎになるよ」
「平気です。まずは長いドライブを楽しみましょう。それに、寧ろお兄さんにとって、それは好都合では?」
「なんで?」
「だってだって、お兄さんは私に聞きたいことがあるはずですしー」
「そ、それは……」
「違いますか? いいえ、ありますよねー。道中たっぷりと時間もありますから、なんなりと聞いてみたらいかがです?」
「そうか、それなら」
まさか彼女の方から、振ってくるとは思わなかった。今まではなんとなく、核心の部分ははぐらかされてきたから。
でも、それなら遠慮なく聞かせてもらおう。
「じゃあ、別荘に来た初日のこと。はじめて会ったその夜に、どうして夏輝さんは、あんなことを?」
「ああん、その前におトイレに――」
そのセリフは流石に想定内である。俺は彼女がそれを言い終わる前に、こう返した。
「トイレなら出発前に済ませておくようにと、何度も口を酸っぱくして言っておいたはずだね。まさか、たった十分足らずで、もう催したとでも」
「あはは、いえいえ流石に……」