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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
みんなでバーベキューをした夜のこと。今と同じ問いに対し、彼女は結局、答えをくれなかった。というか……今は詳しく振り返らないが、彼女の下方面の粗相によって、すべては台無しにされてしまったのだった……。
とにかく、もう誤魔化されないぞ。
「じゃあ、俺の質問に答えてくれ。あの夜、俺のベッドに潜り込んでいたのは、夏輝さんだよね。どうして、あんなことをしたんだ?」
「あんなこと……?」
夏輝木葉は、身に纏った空気を一瞬にして別のものに変えた。視線をやや窓の外へ向けると、この様に続ける。
「あくまでも、したのは二人だと思います」
「え?」
「男の人ならともかく、か弱い女の子が相手を無理矢理どうにかできるわけではありませんもの。だからあの夜のことは、お兄さんがその気になった結果ということ」
「それは、そうだろうだけど! そもそも、キミがベッドに潜り込んで来なければ――」
くすくす。
こちらが少し熱くなったとみてか、笑みを携えた彼女は、再び纏う空気を緩和させた。
「なにが可笑しいの?」
「あはは、ごめんなさい。あの時の、お兄さんときたら。すっかりグテングテンで、こちらとしても大変だったんですからぁ」
「悪かったな」
と言ったのは、もちろん皮肉ではある。だが夏輝木葉は、一向に気に留めようとはしなかった。