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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「……」

 彼女の話にでてきた、コンビニ前の柄の悪い連中。その姿が、俺の脳裏に鮮明に思い起こされていく。彼女のつたない描写を越え、正しい姿が……。

「路地を折れてから、道のりの半分くらいを歩いたでしょうか。少女は住宅街の最中にある、小さな公園の入り口の前で足を止めます。子供の頃よく遊んだ公園でしたが、別に懐かしく思ったわけではありません。それに夜はまったく印象が違っていて、薄暗い園内では、生い茂った木々が風にざわざわと揺れていました。立ち止まった少女は、その片隅にある公衆トイレを見つめます。なんとかここまで歩いてきましたが、家までは我慢できる自信がなかったのです。一人で夜道を歩くという心細さも、そんな不安に拍車をかけます。少女は仕方なく、公園の中へと足を踏み入れました――とさ」

「え?」

「あはは、昔話はこのくらいにしておきましょう」

「だけど――」

「この先は、話さなくてもわかると思いますし」

「な……夏輝さん?」

「とにかく少女は、あの時、トイレに寄ったことを後悔することになるのですが――それは、どうして?」

「……」

 夏輝木葉が投げかけた問いが、当時の俺の想いを紐解いていく。

 それは高校生になった俺が、五月女さんという美女を身近にした奇妙な生活をはじめたあたりから――。

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