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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 そんなガキがいくらか反発したところで、そんなものはすべて甘えだ。ならば真正面から正しく甘えた方が、まだ潔いのではないかと思えた。と、なんなだかんだ理屈をつけても、結局は五月女さんの放つ魅力に抗えなかったのだろう、とでも言われてしまえば反論することはできないかもしれない。

 でも少なくとも、決して骨抜きにされたわけではない。まだこの時なら、そんな風に強がることもできただろう――が。

 ガチャ。ドアが開き、五月女さんがコーヒーを運び入ってくる。

「――!」

 備え付けのスタンドに照らされたデスク周りはともかく、この書斎の照明は薄暗かった。その弱いオレンジの光が俄に、それでいて確実に大人の女性の身体を照らし上げていく。

 いつの間にかスーツの上着を脱いでいたのは、単にリラックスのためだろう。そうして露わとされた淡い色彩のトップスは、ハーフネックで五分袖のサマーニット。ピッタリでもなく緩すぎもしない生地は、胸部の魅力的な膨らみに逆らうことをしない。あるがままに、その形を眼前に示してくれた。

 コーヒーを乗せたトレイの先で緩やかに揺れながら近づくその様を直視して、俺はゴクリと思わず喉を鳴らしていた。風呂場でのあの一件から、一週間が経っていた。

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