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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
肩を怒らせながら、俺はそんな風に言うのが精一杯だった。取り除くって、なにを? 五月女さんの微妙に曖昧な言葉の意味が、具体化するのを恐れて――否、本当にそうなのか。
スッ、と。背中越しに五月女さんが近づく気配を感じた。すると――
「この間、お背中を流した時のような」
「……っ!」
ドキリとした。
「今日の涼一さん、私の胸ばかり見ていましたね」
「違っ――!?」
図星を否定しようとする俺の耳に、生暖かい吐息が吹きかかって、驚く。そんな距離で、五月女さんは囁くのだった。
「なにも、深く気になさる必要はありません」
「気にしますよ。だって、あんな――」
そう言いながら思い浮かべたのは、例の風呂場のシーンだ。だけど、湯気の中の五月女さんの裸体を詳細に思い出すことができない。綺麗な胸の膨らみを、その先端の乳首の色を、もう一度目にしたい衝動が奔る。
「涼一さんのような年頃の、思春期特有の性の昂りは、勉学などへの大きな妨げにも成り得ると懸念いたします。それをコントロールするため、どうか私をご利用ください」
「ご……ご利用とか、そんな……」
声は上擦り、心音の間隔が極限まで短くなろうとする最中、更なる刺激が俺を襲った。
「たとえば、どうでしょう――」
ピタ――。
「――今宵は、この胸で?」
その時、俺の背中に柔らかくも確かな弾力が、押し当てられていた。