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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「む……ね、で?」
「ええ、私の胸にとても興味がおありのようですから」
「胸で、どうすると言うんですか?」
言うと同時に自己嫌悪が襲っていた。これでは前回の風呂場の場面と同様の展開じゃないか。〝胸による行為〟がどういったものか、おぼろげながら見当がついた上で、それを彼女の口から説明させようとしていたのだから。
だけど自らへの嫌悪を自らを戒める方向に転化することができない。それどころか既に興奮は増してゆくばかりで、思考回路は破綻寸前だった。
そんな俺をあざ笑うこともせずに、大人である五月女さんは冷静そのものだ。淫らな行為へこちらを誘っておきながら、感情の高ぶりというものを微塵も感じさせない。その態度は勉強を教えている時と、まるで変わらなかった。
だから先の愚かな問いにも、平然とこう答えてみせる。
「涼一さんの高鳴った男性の部分を、私の胸で包み込んで差し上げます。心地よく、満足なさるまで存分に」
予想した通りの行為だった。それを施してもらえるという興奮が、頭のてっぺんを突き抜けそうになる。徐々に淫らに染まる内面を見透かされるのを恐れて、俺は必死に悪態をつこうとしたが――。
「なんなんですか、あなたは一体?」
「私の胸では、お気に召しませんか?」
「そ、そうじゃなくて……!」
語気を強めて向き直った時、直視していたのは五月女さんの顔ではなく、豊満で形の整った胸の方だった。バツが悪く思いすぐに顔を逸らすも、言葉の勢いはすっかり失われていた。