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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
そんなはずはない。否定しようとする俺の脳裏に「言ってませんでしたか。なんでも、お世話するって」という旨の、あの時の自分の言葉がリフレインされた。そうだった。五月女さんの美麗な裸体を前に、まるでねだるように言ったのは俺の方。
「ううっ……」
考えを巡らせる間にも、五月女さんの手が蠢いていた。まるで俺自身の形を確かめるように、緩やかに執拗に。そうしながら、囁きかけるように言うのだ。
「もちろん、こういったことをお父様に報告するようなことはいたしません。いいえ、これは涼一さんと私の二人だけの秘密。安心して、身を委ねてください」
「だけど、こんな……」
「私の胸、見てはいただけないのですか?」
「い、今……そういう話をしてるわけじゃ」
「見たくないのですか? どうか正直な気持ちを、お答えください」
「そりゃ……見たい、ですけど」
雰囲気に負けそう答えた。同時に、言いしれぬ敗北感が襲う。
「では――」
五月女さんは言いながら再び背を向けると、長く艶やかな髪の毛を両手を使い身体の前の方へと流した。
「――外してくださいません」
「!」
なにを? とは、流石にとぼけられなかった。眼前にあるものは背中の綺麗な素肌と、それを横断するブラジャーの布地とその止め具。なにを「外す」のか、それは明らかだ。
俺は震える手を伸ばし、それを摘まむ。すると、プッ、という音にもならない微かな感触の後。スルリとして水色のブラジャーは、五月女さんの胸を解放したのだった。