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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「すみません。持っていてください」
「え……ああ」
渡されたのは、たった今、俺の手で外した五月女さんの温もりの残ったブラジャー。これで彼女の上半身は裸。こちらを向けば、否応なく胸を目にすることになる。そう思うだけで、俺は喉を鳴らした。だけど――
「少し肌寒いですね」
五月女さんはそう言うと、裸身に俺の持ってきた黒のパーカーを羽織り、袖を通すとファスナーを胸元まで上げた。
なんだよ、「見たい?」とか挑発しておきながら。思わず失望を顔に表す俺を振り返ると、五月女さんは言うのだった。
「せっかく、ですので」
「も、もちろん、着ればいいと思いますけど。そのために、わざわざ持ってきたんだから」
クス――。
もしかしたら、錯覚だったのかもしれない。やや憮然と答えた俺を見て、五月女さんがはじめてほんの僅か口元を緩めたように感じたのは……。
「大丈夫ですよ」
「なにがです?」
「ですから、お望みはちゃんと」
「……」
今、俺が望むこと。さっきまでの問答がなんだったのかというくらい、頭の中がピンク色に彩られていた。
「さ、こちらへ。リラックスして椅子に腰掛けてください」
甘い言葉に誘われるまま、俺はデスクの脇の、さっきまで五月女さんが座っていた椅子へと導かれた。すると――
「失礼します」