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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「――こういった〝お世話〟を平然と無感情にすることができる女、とお考えくださって結構です」

「あ……くっ」

 それは、なんとも言い難い感覚。さっきから硬直しきった欲望の形が、彼女の目の前で俄にピクピクと脈打っていた。最初から裸だった風呂場の時とは、まったく別の恥辱に困惑した。

 そんなものを目の前にしても、五月女さんは驚く様子もない。その態度がなんとも、口惜しかった。

「いろいろ言っても、こんなに大きくして……ホント情けないですよね」

「自然なことですから。それに、とてもご立派です」

 それは彼女なりの慰めなのか。そう考えてしまう俺は、とことんまで自分を卑下しようとした。

 対して五月女さんは、あくまで淡々と〝お世話〟を続けようと、俺の股間に右手を伸ばそうとした。

 その手が触れる寸前、俺は無意識にこんなことを口走った。

「これから、出会うとかっ」

「?」

「バ、バカにしないでくださいよ。俺だって、キスくらいしたことがあります」

「恋人が、おられるのですか?」

 そんな相手がいないことぐらい、五月女さんなら情報として承知しているのだろうに。

「そんなの、いませんよ」

 そうだ。恋人どころか、友達の一人すらいたことはなかった。それで窮屈な生活から逃れようとして、俺は……。

「でも、キスはしました」

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