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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 家を出る時に、妹の瑞月と。そんな禁忌に近い経験を引っ張り出してまで、俺は一体なにを伝えたかったのか。自分でも理解不能。虚勢にしても虚しすぎた。

「そうですか」

 五月女さんはスッと立ち上がると、外した眼鏡をデスクに置いた。その姿を見つめた、次の瞬間のこと。

「……!」

 肩に右手を置かれ、そこから息をする間もなく、唇は塞がれていた。

 けれど、それにに応じて、こちらから熱を込めようとした刹那、五月女さんは、ふっと唇を離した。結果として俺にとっての二度目のキスは、唇が触れ合っただけの軽いものになった。

 もっと――。

 そんな眼差しを向けたであろう俺に対して、だけど五月女さんは再びキスをしようとはしなかった。その代わりに――

「お約束どおり、次はこちらでお相手します」

 ジー、と音を立ててファスナーは下ろされていく。俺の貸したパーカーの前部が開かれ、魅惑的な胸の谷間からおへそまでの素肌が露わとされた。

 ホントにこれから、この胸で……?

「勉強に集中していただくため、これは私が勝手にすることです。ですから、涼一さんが遠慮なさる必要はありません。どうぞ、この胸を――」

 そう言うと五月女さんは、両腕を胸の下で組んだ。自然と寄せ上げられた胸元が、なんとも言いようのないほど艶めかしかった。

「――ご自分のために、お役立てください」

 同時に俺の淫らな期待が膨らむ。今にも、破裂しそうなくらいに。

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