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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「わかりません。ですが今夜のことでしたら、やや行き過ぎであったと反省します」

「アハハハ!」

「?」

 突如、笑いだした俺を、五月女さんが不思議そうに見つめた。

「だけど、あなたはこう思ってるんじゃないですか。今はそんなことを言っていたって、またいずれ同じことを望むはずだと」

「それは――男性とは、そういうものだと」

「いいんです。でも僕はもう、今みたいな気持ちは二度とごめんだ」

「……申し訳ございません」

「そんな風に頭を下げながら、あなたは僕のことをあざ笑っている。そうなんでしょう?」

「いいえ、そのようなことは、決して」

「もう本心なんて、どうでもいいんです。僕がいくら探ろうとしても、あなたはそれを見せようとしないんだから」

「……」

「とにかく、もうここには来ないでください」

「いいえ、そういうわけには参りません。もし私が至らないというのなら、どうぞお父様にお言いつけを。そうすれば、代わりの者が――」

「だからっ、そういうことじゃなくて!」

「!?」

 思わず語気を荒げると、五月女さんは目を見張った。感情的になったことを少し恥じて、俺は身体を起こすと床からパンツとズボンを拾い、それを身につけた。

「僕は、親父が嫌いなんです。だから、親父の言いなりで来ている、あなたのことだってよく思えないから……すいません」

「そうですか……とにかくお話なら、冷静になってまた明日にでも」

 こちらを誤魔化そうとする意図の言葉は、これ以上耳に入れたくはなかった。

「あなたとは、もう会いたくありません」

 そう告げると、俺は書斎から出て行くのだった。

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