この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「わかりません。ですが今夜のことでしたら、やや行き過ぎであったと反省します」
「アハハハ!」
「?」
突如、笑いだした俺を、五月女さんが不思議そうに見つめた。
「だけど、あなたはこう思ってるんじゃないですか。今はそんなことを言っていたって、またいずれ同じことを望むはずだと」
「それは――男性とは、そういうものだと」
「いいんです。でも僕はもう、今みたいな気持ちは二度とごめんだ」
「……申し訳ございません」
「そんな風に頭を下げながら、あなたは僕のことをあざ笑っている。そうなんでしょう?」
「いいえ、そのようなことは、決して」
「もう本心なんて、どうでもいいんです。僕がいくら探ろうとしても、あなたはそれを見せようとしないんだから」
「……」
「とにかく、もうここには来ないでください」
「いいえ、そういうわけには参りません。もし私が至らないというのなら、どうぞお父様にお言いつけを。そうすれば、代わりの者が――」
「だからっ、そういうことじゃなくて!」
「!?」
思わず語気を荒げると、五月女さんは目を見張った。感情的になったことを少し恥じて、俺は身体を起こすと床からパンツとズボンを拾い、それを身につけた。
「僕は、親父が嫌いなんです。だから、親父の言いなりで来ている、あなたのことだってよく思えないから……すいません」
「そうですか……とにかくお話なら、冷静になってまた明日にでも」
こちらを誤魔化そうとする意図の言葉は、これ以上耳に入れたくはなかった。
「あなたとは、もう会いたくありません」
そう告げると、俺は書斎から出て行くのだった。