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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

「おかしい、ですか?」
「いや、ごめんごめん。ふふふ、了解了解。細かい事情を聞くのも無粋だ。約束しよう。僕は三年の金城陸矢(かねしろ りくや)という者だ。今日から岸本くんを、僕たちの仲間として――」
「あの、その前に、ひとついいですか」
「なんだい?」
「岸本と苗字で呼ばれるの、あまり好きじゃないんです。できれば名前の方でお願いします」
「もちろん構わないけど、それはなぜ?」
「親父のことが嫌いだから、です」
「ふふふ、オッケー涼一くん。とてもいい理由だ。ではこちらからも、ひとつだけお願いをしてもいいかな?」
「なんですか?」
「もしこの先、妹に手を出そうと思う時があれば、事前に僕に断ってからにしてほしいんだ」
「妹?」
「ああ、なんだかキミのことを、いたく気に入ってるようでね」
あ! あの猫のような……。
結果的に俺をグループに誘ったのは、その彼女だった。遠藤陸矢の妹、後に知るその名は、金城朱海(かねしろ あけみ)。そして彼女こそが――。
「というわけで、改めて歓迎しよう。よろしくね、涼一くん」
「はい」

