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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 こんなやり取りがあり、俺は陸矢をはじめとする不良グループの連中と〝仲間〟となる。一定の金銭を支払う代償として孤独を誤魔化すという奇妙な関係が、とある一人の少女に悲劇をもたらすことになるのは、それからほんの数ヶ月後のことだった。

 その一件を語る前に、その後の五月女との関係について触れておきたい。

「うわっ、なんだよこの豪邸……なあホントに、ここで一人暮らしか?」

 それは仲間になった金髪たち(陸矢を覗く)を、はじめて家に招いた時だった。

「なあ、お前の親って、どんな金持ちなわけ」

「オーイ、余計な詮索はすんなって」

「へへへ、わかってるよ」

 金髪に窘められて、仲間の一人は言葉を収めた。どうやらその辺りのことは、陸矢から徹底されているようだ。

 それにしても陸矢と、この連中との関係は不思議に思った。普段、陸矢自身はあまり連んだりはしないにも関わらず、グループのリーダーとしては機能しているようだった。

 ともかく見るからに柄の悪い連中が、五人も六人もリビングにたむろしていたのである。そんな場面に顔を出せば、如何に五月女さんといえども平静を装ってはいられないだろう。そんな俺の目論見は現実のものとなった。

「涼一さん、これは――!」

 流石に驚きを隠せない五月女さん。ドアを開けたまま立ち竦む彼女を前にして、俺は口元に笑みを浮かべた。

「これは、なんです?」

「失礼いたしました。お友達がいらっしゃっているとは存じませんでしたもので……」

「なにか問題でも?」

「いいえ……そういうわけでは」

 珍しく言い淀む五月女さんの姿を見て、俺はどこか得意げだったのだろう。今にして思えば酷く稚拙なことだけど、この時はそんな自分を客観視することもなかった。

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