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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 陸矢自身は相変わらず、グループと連むことはほとんどなかった。それでも陸矢から命じられているようで、グループの連中が俺のことをぞんざいに扱うことはなかったし、追加で金をせびるようなこともなかった。

 代わりに時折、顔を出していたのは妹の方。その日も、いつの間に交ざっていたものか。ゲームセンターでクレーンゲームをしていると、横から猫のぬいぐるみを指さして――。

「ねえねえ、あれほしー」

 と、甘ったるい声で言うのである。

 仕方なく次々にコインを投じて、リクエストに応えようとする。が、こうした遊技にも慣れない俺は当然ながら悪戦苦闘。その間、彼女はぬいぐるみを掴んでは落とすもどかしいクレーンの挙動に一喜一憂していた。ぴったりと肩を寄せていたから、なんとも言えない甘美な匂いが、否応なく鼻腔くすぐる。

 結局、数千円を投じて、ようやくゲットするに至ったわけだが。

「やったぁ! ありがと!」

 ぬいぐるいを抱きしめ、ニッと笑った無邪気な顔と牙のような八重歯。そんな彼女を前にして、心臓が高鳴ったのも無理からぬところなのか。

 陸矢の妹、金城朱海(かねしろ あけみ)は、俺と同じ一年生だった。グループの他の連中は二年か三年だったので、その意味では唯一の同級生となる。変に俺に馴れ馴れしいのも、最初はそんな理由だと思っていた。

 一見するといかにも派手好きな女子高生といった雰囲気。それ故に不良グループの中であっても、特に不自然な印象はない。陸矢の妹ということを知らなければ、グループ内の誰か、あるいは何人かと関係をもっていたとしても意外には思わなかったかもしれない。

 そのように思わせるくらい、なんというか〝雌〟の匂いを漂わせていた。そうでありながら、ぬいぐるみを抱いて喜ぶ無邪気な一面をも持ち合わせているのだから、彼女の態度には当初から惑わされつつあった。

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