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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 仮に朱海となにかあった場合、後々面倒になりそうな予感がビンビンとしていた。それになんとなく気にはなっていたというだけで、別に朱海のことを好きになったわけではない。そんな風に考え直した俺は、彼女を不用意に接近させないように心がけるようになった。

 朱海の方は急に距離を取られたことを不思議に思ったようだが、こちらがつれない素振りをみせると、それ以上しつこく近寄ることもなかった。正直、少しだけ惜しい気もしたが、当時の俺にとってグループの輪を乱すことだけは避けたかったのだ。

 あれは、そんな矢先のこと。

 学校帰り、俺の家にグループの連中がたむろしていた時だ。この頃は遊び歩いた後、こうして俺の家になだれ込むのが日常。すなわち、溜まり場になっていた。

 ある者は酒を飲み、ある者はタバコを吹かし、音楽を大音量で鳴らしては、奇声を発して騒ぎ立てたりする。物静かな環境を好む俺としては、あまり歓迎すべきことではなかったけど、そんな彼らがこの家から五月女さんを遠ざけているのも事実なので、好きなようにやらせるようにしていた。

 その日は珍しく朱海も来ていたけど、大人しくスマホを弄っていたかと思えば「わたし、もう帰る」と、不機嫌そうに告げ、そのまま帰ってしまったようだ。

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