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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「どうする? わたしは、このままノリでしちゃってもいいかなって」

「だ、駄目だろ? いや、当然だろ、そんなこと……」

「えー、残念! じゃあ、これでおあずけ? 涼一はホントにそれでいいの?」

「し、仕方ないだろ」

 今から買いに行くにしたって……、大体どこに売ってるんだよ?

 そんな風に考えを巡らせる俺の顔を仰ぎ、朱海は悪戯っぽく笑みをこぼした。

「うふふ、コレなーんだ?」

「え? あ!」

 実際に見たことはないけど、それが俗にいう『ゴム』であることは流石にわかった。朱海はそれを制服のポケットから出したのである。

「ついでだから、着けてあげる」

「あ、おい……うっ」

 朱海の手つきは、子慣れていた。竿をニ三度しごき硬直を確かなものに戻すと、頭の方からくるくるとゴムを全体に被せていく。

 この手つき……否、それ以前に。

「なんで持ってるんだよ」

「だって、ドーテーの涼一が持ってるわけないし」

「つまり最初から、そのつもりだったと」

「そんなの。ベッドで寝ていた時点で気づいてよぉ」

「くっ……!」

 そりゃ、そうだろうけれども!

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