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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第2章 コーヒーはブラックで
一体、どういうつもりだ……。
その一連の行動を不可思議に思いながら立ち上がると、ベッドの上であぐらをかいてスマホを眺める姿を観察。
相変わらず露出されている小麦色の太もも。やや乱れた髪を整える、緩やかな手つき。その横顔を、更に訝しく見つめた。
そんな俺の内には、昨夜の相手が目の前の高坂文水ではないのか、という疑念にも似た想いが芽生えはじめていた。否、それは部屋に入る前の、そこはかとない緊張感が既に示している。さっき述べた偏見というのが、それだ。
「なに?」
スマホから目を離さず、片手間に聞かれる。
「あのさ、昨夜のことなんだけど……」
「ああ、だいぶ酔ってたよねー。平気?」
それは、ベッドの中でのことを言っているのか――?
「平気って、なにが?」
「なにがって――」
不意に顔を向けられ、俺は咄嗟に視線を逃がした。
「ん?」
「いや……とにかく、もう起きてくれないと」
ヘタレな俺は、そこまでで話題を切り替えてしまった。
高坂文水の様子は、おかしなところはないように思う。否、なにかを感づけるほど、しった間柄でもあるまいが。彼女は平然としていて、平然としたまま自然と色香を振り撒くのである。どうも、そんな感じだった。
だがそうできるのも、彼女が男と女のことに長けているからなのかもしれない。