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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

「ご理解いただき、大変助かるよ」
「では、ほんの少し質問を改めます」
「え……まだ続くの?」
「なに嫌そうな顔してるんですか。せっかく私が、お兄さんでも答えやすい質問にしてあげようとゆーのに」
「わかったよ。で、その質問とは?」
面倒な気持ちを隠さずにそう聞くと、夏輝さんは急に真面目な面持ちとなった。
「四人の中で、誰のことが一番気になりますか?」
「気になる」とは、確かに曖昧な問いかけなのかもしれない。先の「好き」よりは明らかに俺の中における感情の振り幅にゆとりがあるというか、そもそも正か負かさえも選ばないのだ。
更に言えば「気にかける」「気にする」よりも受動的なイメージ。相手の取る態度により、その時々でその対象は移ろうのが自然のような気がする。
俺の四人に対する感情の在処は、様々で複雑なものだけど、現時点でこの質問に答えるのなら、それは当然。
「今でいうなら、それは夏輝木葉ということになるけど」
「えへへー、照れるなぁ」
「でも、そうだろ。仮にも本日のデート相手を差し置いて、ということでもあるし」
「それはそうですが、うふふふ!」
「なにかおかしなこと言った?」
「だって、さっきは昔の彼女のこと考えてたくせに、と」
「それは……彼女というか、その」
「『あけみ』さんでしょ?」
「なっ……!?」

