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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 これには言葉を失うしかなかった。夏輝さんとの過去の因縁を確かにする上で過去を振り返っていたのは事実だけど、金城朱海と夏輝木葉の間に面識があるはずもなく――否、面識の問題ではないとしたら?

 そもそもそれを言うのなら、俺と夏輝木葉だって、別荘に来たこの夏まで、そんなものはなかったのだから。

「驚きました?」

「うん……でも、どうして?」

「私――『りくや』という人から、聞かされたんです」

「!」

 やはり、そうか……。

「そんなわけで、今度は私の番みたいですね」

「夏輝さんの?」

「そうです。私が、過去を振り返る番。でもお兄さんと違って、思い出すだけじゃありませんけど」

 それは恐らく、言わばこちらの思い出の裏側。故に、その大半が俺の知らない物語だろう。

「ああ、聞かせてほしい」

 俺は心して聞かなければならない。

 裏と表は、必ず最後にリンクする。その結果を知る者として。

 なにより、その結果を招いた者として。

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