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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

◆◆◆視点・夏輝木葉◆◆◆
四年前――。
私、夏輝木葉はごく普通の中学生だったと思う。ううん、三年生にしては少し子供っぽかったのかも。
中学に入学してからすぐに仲良くなった三人の友達がいて、それからはなにするにも、いつも四人。遊びに行くにも、教室でお喋りをするのも、誰かの家で勉強するのも、学校から帰る時も一緒だった。
でも三年生になる前の春休みに、一人の子に彼氏ができてからは少しずつ事情が変わっていった。その子はあまり一緒に帰らなくなったし、一緒にお喋りしている時も、スマホばかり気にしていた。そんな時は――
「ライン?」
「彼氏とぉ?」
そんな風に他の二人も興味津々に聞いたりして、その子がクールに「うん、そうだよ」なんて答えと、「やっぱり!」と色めき立つのだった。私はそんな雰囲気が、少しだけ苦手で……。
もちろん、私だって興味がないわけではなかった。好きな男性アイドルの話なら、同じように盛り上がったりできる。それでも身近な恋愛事でキャアキャア騒ぐ三人とは、やっぱり少し空気が違っていたのかもしれない。それまでと同じように四人で遊べないことを、どこか寂しく感じてもいた。

